ジェンダーは外交に利用される!?
オーストラリアのモリソン首相は、宗教団体が運営する教育機関(いわゆるreligious school)に対して、男性同性愛者の受け入れ拒否を止めるよう指示しました。
同性愛者に対する理解を広る活動が世界的に広がっている中、今回のオーストラリアの事例もそれに沿ったものだと思われますが、これを国際政治の観点から見ると面白いことが分かります。
現首相のモリソン氏は、前首相のもとで財務大臣を務めた人物で、保守的な思想をもつ政治家として知られています。
モリソン首相は、首相就任以前、同性婚や移民に反対する立場を表明していました。
それが8月の首相就任後、以前の主張とは真逆の政策を行うようになったのです。
一個人の政治家としての発言と国家の代表者としての発言には、やはり重みの差があるということです。
ここで同性愛者を非難することがあれば、たちまち国際社会から攻撃の対象になります。ただでさえ、アメリカとオーストラリアの関係が冷え込んでい中、他国との歓迎までも冷え込ませるのは現実的ではありません。
隣の人の行動を見て、慎重に言葉を選ぶ外交姿勢の是非は別として、国のリーダーの発言には様々な意図が含まれていることを忘れてはいけません。